プレスリリース
2024.06.28

医療系大学でコロナ禍でも高い国家試験合格率を維持、留年・退学者数も減少傾向

日本初の4年制医療系大学と産学連携共同調査レポートを発表【learningBOX】

鈴鹿医療科学大学(三重県鈴鹿市、学長:豊田長康)とlearningBOX株式会社は、産学連携プロジェクトにおける調査結果をまとめたレポート「医療系⼤学におけるLMS活⽤法とその効果について~コロナ禍で得た学びのDX~」を公表いたします。

産学連携について

「日本初の4年生医療系大学」として、次世代の日本医療と福祉分野を担うスペシャリストを養成してきた鈴鹿医療科学大学と、EdTechスタートアップとして、誰でも簡単にWeb学習環境が構築できるeラーニングシステムの開発を行ってきたlearningBOX社は、2022年11月に産学連携協力に関する覚書を締結しプロジェクトを進めています。

以下の4つをテーマに、包括的な連携のもと、効果的な教材作成に関する情報共有や機能改善の相互提案など、EdTechがもたらす新しい教育について共同研究を展開しています。

  • learningBOX導入による国家試験合格率向上に関する効果検証
  • 効果的な反転学習実現のためのlearningBOX活用メソッドの体系化
  • 習熟度別アダプティブラーニングを実現するためのシステム開発
  • 上記の産学連携により得た学びに関する知見の社会還元

鈴鹿医療科学大学の「臨床工学技士」合格率について

鈴鹿医療科学大学「臨床工学技士」の新卒合格率と全国合格率の差

2020年1月~2023年4月の期間、コロナ禍の影響により我々の生活が一変し、鈴鹿医療科学大学の学生や教職員も、授業形態の変更などこれまでと異なる日々を強いられることとなりました。

鈴鹿医療科学大学 医用工学部 臨床工学科では2021年からLMS(学習管理システム)であるlearningBOXを本格導入し、国家試験対策に活用してきました。2021年度以降の国家試験の結果にその効果が反映されており、コロナ禍にありながらも、2020年度から2021年度さらに2022年度にかけては合格率の上昇が確認でき、2023年度も全国平均と比較しても高い国家試験合格率を維持しています。learningBOX導入をはじめ、学内での授業改善、国家試験対策の改革を実施したことがこのような成果に結びついていると考えています。

コロナ禍が大学生に与えた影響とは

全国の国公私立大学(短期大学を含む)及び高等専門学校を対象に、文部科学省の実施した「学生の修学状況(中退者・休学者)等に関する調査(令和3年度末時点)」によると、2021年度の中途退学者数の割合は、2020年度と比べて変化はなく、コロナ禍前の2019年度よりは低い数値に。しかし、新型コロナウイルスを理由とした中退者数の割合は、2020年度と比べて若干増加していることが分かっています。

中退者のうち新型コロナウイルスを理由とした者の内訳としては、2021年度では、2020年度と比べて「経済的困窮」は9.8ポイント減少(2021年度:20.6%/2020年度:30.4%)しているが、「学生生活不適応・修学意欲低下」は2.7ポイント増加(2021年度:26.2%/2020年度:23.5%)しており、「学生生活不適応・修学意欲低下」を理由とした中退が最も多くなっています。

また、若年層向けの就職支援事業などを展開する株式会社ジェイックが中退者向け就職支援サービス受講生に対して行ったアンケート調査によると、中退者のうち「新型コロナウイルスがなければ、中退していなかった」という回答は、2020年では14.1%、2021年は18.7%、2022年では前年から13.2ポイント増加の31.9%となっています。

株式会社ジェイック<【調査】中退理由「授業内容に興味が持てなかったから」が初トップに>(2023年)をもとに、当社が独自に作成

さらに中退理由については、2022年では1位「授業内容に興味が持てなかったから」、2位「留年したから」、3位「授業についていけなかったから」という結果になっています。

これらの調査を受け、新型コロナウイルスを理由とした中退のうち、経済的な事情によるものが年々減ってきていることから、コロナ禍になり約3年が経過するうちに、オンライン授業によるモチベーションの低下や、通学機会の減少、留学の中止などによる「学生生活不適応・修学意欲低下」が増加していることが分かりました。

鈴鹿医療科学大学においても、コロナ禍における「学生生活不適応・修学意欲低下」などの影響は学生の一部にも見受けられましたが、面談、学修指導や補講を増やすなどの対策を講じてきました。さらに2021年度の全学的なLMS(学習管理システム)「learningBOX」の導入以降、着実に活用を広め、成績向上と高い国家試験合格率維持へと結実させています。また留年・退学者数にも減少傾向が見られています。今回の共同調査レポートは、特にコロナ禍の影響に焦点を当てて進めたもので、鈴鹿医療科学大学がこれらの成果を得るに至った経緯やその取り組みについて紹介しています。

共同調査レポートについて

鈴鹿医療科学大学での全学的なlearningBOX導入以降、両者は鈴鹿医療科学大学でのLMS「learningBOX」の運⽤・活用方法についての調査を継続して⾏っています。日々の取り組みによって得られた知⾒を発信すると同時に、LMS「learningBOX」の効果を明らかにすることを⽬的としたものです。

なお今回の共同調査レポートは、2022年11月に発表した「医療系大学におけるLMS活用法とその効果について」の第二弾として、主にコロナ禍における鈴鹿医療科学大学での取り組み、学生への影響、コロナ禍で得た学びなどについてまとめたものです。

概要

鈴鹿医療科学大学とlearningBOX社のこれまでの取り組み
鈴⿅医療科学⼤学とlearningBOX社が産学連携プロジェクトで行ってきた取り組みやその成果について説明する

コロナ禍の影響(国家試験合格率、留年・退学率など)
コロナ禍が学校生活にどのような影響を与えたか、国家試験の合格率や留年・退学率についても触れる

LMSの活用方法、各科での取り組みについて
LMSを具体的にどのように活⽤し効果が出ているのか、実例を交えながら紹介する

LMS研究部会、アンケート結果について
鈴⿅医療科学⼤学の学内組織である「LMS研究部会」において、教員の反響が大きかったLMSの活用事例を掲載。また教員・学⽣へ実施したlearningBOXに関するアンケート結果についても紹介する

まとめと今後の展開
コロナ禍にありながらも、learningBOXの導入など様々な教育改善によって高い国家試験合格率を維持しており、留年・退学者数にも減少傾向が見られるという結果に対する考察を⾏うとともに、課題や今後の展開など本調査についての結論を述べる

今後の展望について

レポート内でも少し言及していますが、国家試験対策において、より効果的かつ効率的に学習を行うための新たな取り組みをスタートしています。

learningBOX社が2011年より無料で公開しているWeb上でクイズが作成できるツール「QuizGenerator」(クイズジェネレーター)を活用したもので、「臨床工学技士」の国家試験対策として、過去問題を分野別に10問ずつランダムで出題するように設定しています。(臨床工学技士国家試験過去問をクイズジェネレータで練習する:臨工過去問クイズ

このサイトは無料で一般公開されるもので、臨床工学技士の国家試験合格という共通の目標を持ち、横のつながりを強化し、コミュニティー形成を支援することで、業界全体を盛り立てていきたいという狙いもあります。

そのほか、さらなる成績向上の実証やAI活用など取り組むべき課題が多くあり、今後は連携強化を図りつつ、課題解決に向けて取り組んでいく所存です。

鈴鹿医療科学大学とlearningBOX社は、今後も産学連携をより活性化させ、様々な課題を両面から解決するとともに、SDGsの目標3(すべての人に健康と福祉を)や目標4(質の高い教育をみんなに)の達成にも貢献していきます。

鈴鹿医療科学大学について

1991年(平成3年)日本で最初に設立された「4年制医療系大学」です。当初は2学部4学科と小さな大学でしたが、現在では4学部11学科15専攻分野を有する「医療・福祉の総合大学」となりました。「科学技術の進歩を真に人類の福祉と健康の向上に役立たせる」という建学の精神のもと、知性と人間性を兼ね備えた医療と福祉のスペシャリストを育成しています。
【URL】https://www.suzuka-u.ac.jp/

<本件に関するお問い合わせ先>
◆鈴鹿医療科学大学 大学事務局 教務課
TEL 059-340-0335  E-MAIL hmatsu@suzuka-u.ac.jp

◆learningBOX株式会社 広報  佐藤
E-MAIL marketing@learningbox.co.jp

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