learningBOX株式会社は、20代~60代の医療介護業の方を対象に「業界別|社員研修」に関する調査を実施しました。
今回は医療介護業界についての結果を公表いたします。
〈調査結果トピックス〉
〇社員教育や研修の課題について、「内容が最新のものではない」の割合が上位となったのは医療介護業界のみ
〇研修に対する満足度も、5業種の中で最も低い結果に
<調査概要>
1.調査方法:ゼネラルリサーチ株式会社のモニターを利用したWebアンケート方式で実施
2.調査の対象:ゼネラルリサーチ社登録モニターのうち、20代~60代の医療介護業の方を対象に実施
3.有効回答数:218人
4.調査実施日:2023年3月2日(木)~2023年3月6日(月)
医療介護で行われている新入社員研修や中堅社員研修などは、オンラインが11.0%、対面が55.5%、オンライン・対面の両方は33.5%
医療介護業の方218人を対象に調査を実施。
はじめに、社員研修はどのような形式で実施しているのか伺ったところ、『オンライン(11.0%)』『対面(55.5%)』『オンライン・対面の両方(33.5%)』という結果となった。
続いて、どのような種類の社員研修を受けていますか?(※公募も含む)と伺ったところ、『新入社員研修(48.6%)』と回答した方が最も多く、次いで『中堅社員研修(28.4%)』『職種別研修(26.2%)』と続いた。
毎年社員研修の内容を変更する必要があると思っているのは約8割、4割が研修に満足しておらず
医療介護業界では、毎年社員研修の内容を変更する必要があると思っているのは約8割(82.1%)で、その社員研修の内容については約7割(71.6%)が業務に活かせていると感じていることが分かった。
さらに、現状の社員研修に関しての満足度を伺ったところ、約4割(43.6%)が満足しておらず、これは5業種のなかでは最低の結果となった。
一方、現状の社員研修について、どのような点に満足しているのかについても伺った。
その内容を一部抜粋すると、
・改訂された制度などは研修で学ばないといけないため適度に研修があると学びになる(30代/埼玉県)
・自分の業務にすぐに活かせる内容だと満足度が高い(40代/東京都)
・同期の絆が生まれ、困ったときに相談したり助け合えたりできる関係を築けるから(40代/岐阜県)
・コミュニケーションスキル研修は好評だった(50代/福岡県)
といった点に満足しているようである。
医療業界における社員研修の課題は、「しばらく時間が経つと社員教育や研修の内容を忘れてしまう」の50.9%が最多
社員研修について、どのような点に課題を感じているのか伺ったところ、『しばらく時間が経つと社員教育や研修の内容を忘れてしまう(50.9%)』と回答した方が最も多く、次いで『十分な知識やスキルが習得できない(33.0%)』『社員教育や研修の内容が最新のものではない(24.3%)』と続いた。
医療介護の現場で行われている社員研修には、時間が経つと社員教育や研修内容を忘れてしまうなどの課題感があることが分かった。
具体的には、
・年に1回の動画配信のみの内容もあるので知識として残りにくい(20代/福岡県)
・義務感と上司からの押し付けになっていて本当に学びたい物や取得したいスキルでは無い点(40代/島根県)
・研修の内容を受けましたが、実際の業務と相違があり、後で確認したところ、教育内容が最新のものではありませんでした(40代/埼玉県)
・全般(広範囲)を短時間で行おうとするため、研修の主旨や効果が上がらない傾向にある(60代/京都府)
といった点に課題を感じているようだった。
特に「社員教育や研修の内容が最新のものではない」といった点にも課題を感じている様子がうかがえたが、その割合についても24.3%と、上位3位にランクインしたのは医療介護業界のみであった。
医療業界が社員教育や社員研修で重要視しているのは、「実践的」であるか
社員の教育や研修に関して、どのようなことを重要視すべきだと感じているのか伺ったところ、『現場で活かせる研修の実施(55.5%)』と回答した方が最も多く、次いで『社員レベルに合わせた教育と研修の設計(54.6%)』『内容が定着するまで反復できる仕組みや環境(39.0%)』と続いた。
実務的な業務が多いため、このような結果となったものと思われる。
最後に、社員教育や社員研修を有意義なものにするために、具体的にどのようなことを行えば良いと思っているのか伺ったところ、
・どのような研修を受けたいか社員にアンケートを取って必要な研修を行う(30代/京都府)
・研修時間を十分に確保することや、研修報告を行ったり現場で実践したりして自分の力にしていくことが大切(30代/宮城県)
・いかにOJT研修を現場に活かしていけるようにするのか、また、そのコーチング技術など(30代/岩手県)
・会社にとって何が必要か、また自分に何ができて何が足りないか、個々で考え方が異なると思うので、それぞれの意見が聞けるような体制作りが必要(40代/島根県)
との回答が得られた。
社員のスキルや知識は個人によって異なるため、アンケートの実施などで社員の意見を取り入れるといった対策や、OJT研修などの実践的な研修内容を望む様子がうかがえた。
【まとめ】医療介護業界で求められているのは、「実践的」かつ「最新」な社員研修
医療介護業界に行われている社員研修は、「現場で活かせる研修の実施」や「社員レベルに合わせた教育と研修の設計」といった実践的な社員研修を望む傾向があるということが分かった。
社員研修は日々アップデートされる業務に対応するため最新のものであることも大切で、今回の調査では8割以上の方が、毎年社員研修の内容を変更する必要があると感じていることも明らかになった。
他業界と比較しても、「社員教育や研修の内容が最新のものではない」ことに課題を感じている方の割合が上位となったのは、医療介護業界だけであった。
この他にも、しばらく時間が経つと社員教育や研修内容を忘れてしまうなど、医療介護の社員研修に関しては課題が多いことが分かった。