〜コロナ禍における学習の継続と、TVET卒業試験合格率の向上貢献を目指す〜
株式会社龍野情報システム(本社:兵庫県たつの市、代表取締役社長:西村洋一郎)は、独立行政法人 国際協力機構(JICA)と、パキスタン国での「技術教育卒業資格取得のための自学自習を支援するeラーニングの導入にかかる基礎調査」(契約期間2021年10月22日~2022年9月15日)にかかる業務委託契約を締結し、本事業を開始いたしました。現地でのワークショップ(参加者が実際にlearningBOXの操作を体験できる講座)が終了し、本基礎調査の中間報告についてお知らせいたします。
調査の概要
TVET(職業技術教育)機関における、自学自習用eラーニング導入に関する基礎調査を実施中です。learningBOXをTVET機関での卒業試験対策のための自学自習ツールとして活用していただくことで、合格率を向上させ、”Diploma”や”Certificate”等の資格取得率の向上に貢献することを目指します。また、新型コロナウイルス感染症拡大中の現下においては、リモート学習の継続を保証することができ、ひいては、TVET卒業生数の増加や卒業生輩出による産業人材の育成にも寄与することを目的としています。
パイロット校での製品デモンストレーションとサンプル教材試作のワークショップ
2021年12月~2022年1月に渡り、パンジャブ州ラホールにあるTVET機関の3校をパイロット校とし、製品の活用能力を検証するため、オンラインでのlearningBOXの製品デモンストレーション、同校の教員に対し教材作成方法を教授するオンラインによるワークショップを開催しました。
当ワークショップにノミネートされた教員は、一般科目から「英語」「数学」、専門科目から「AutoCAD」の総勢18人(男性:9人、女性:9人)。問題の作成方法、コンテンツのアップロード方法など、教材を自ら作成するための操作だけでなく、メンバーの追加、管理方法、学習の進捗状況や自動採点される試験結果の確認方法などを教授しました。PCの操作に不慣れな教員がいる中、当初戸惑うシーンも見られたが、簡単な操作で教材を作成できることに、手応えと面白さを感じていただけました。
ワークショップの成果として、2種類の教材、5種類の問題形式を組み合わせたWEBクイズ、これらの学習を全て完了した際に発行される認定証という一連の学習の流れを構築していただきました。ほとんどの教員が目標としたコンテンツ以外にも多数、教材を追加することができ、中にはlearningBOXを完全に使いこなしている教員もいて、私たちの期待を大きく上回る結果となりました。提出された作品の中から、技術教育専門家と龍野情報システムが評価、選考し、1月末に特に優秀だった作品を4人(男性:2人、女性:2人)の教員自ら発表していただく成果発表会を開催しました。結果として、完成度に個人差があること、また真に効果が上がる教材とはどういうものであるかなど、検証すべき課題も見えてきました。ワークショップの課程が全てオンラインで遠隔からの開催となりましたが、提案製品の使いやすさが実証されただけでなく、TVET機関でのニーズに適合していることがその後のヒアリング調査でも明らかとなりました。
▼オンラインでのワークショップの様子
▼GCT Railway Road校での受講風景
▼GCT Lytton校での受講風景
▼Ahmad Hassan Polytechnic Institute校での受講風景
今後の課題
learningBOXの基本的な使い方は習得できたが、効果的な学習を実現するために、どの教材や問題形式を活用すれば良いのか、といった関心が教員たちの間で今後ますます増えることが予想されます。
●持続的な開発目標(SDGs)17の目標への貢献
本プロジェクトでは、持続的な開発目標(SDGs)の17の項目のうち、特に次の3つ,「教育」、「経済成長・雇用」そして「インフラ・産業」について、対象地域に対して貢献していきます。
調査における今後の展開
本調査では、主に以下の内容について取り組んでいきます。
◯政府機関、関係機関、その他ステークホルダーに対して、課題のヒアリングを行います。
◯パンジャブ州TVET機関パイロット校での製品デモンストレーションとサンプル教材試作のワークショップを行います。
◯アンケートや市場分析(市場規模、動向、顧客像、ニーズ、製品への反応)などを実施します。
◯VET機関でのeラーニング導入にかかる関心・導入可能性、learningBOXによる課題解決可能性についての協議を行います。
▼JICA について
https://www.jica.go.jp/about/index.html