紙と鉛筆からの解放で運用コスト削減、学習者の学習・試験体験効率化も実現
learningBOX株式会社は、2024年9月末(予定)に、eラーニングシステム「learningBOX」において、手書き機能の拡充を実施いたします。この機能は、文部科学省が推進するGIGAスクール構想の第2段階「NEXT GIGA」に沿った開発で、教育現場におけるデジタル化の推進を目的としています。 近年需要が急増しているIBT・CBT方式の試験を採用する通信制高校での活用も期待されています。
GIGA端末浸透も「ほぼ毎日端末を利用した」は30%以下 遠い教育デジタル化
文部科学省の「令和5年度 全国学力・学習状況調査」によると、教員と児童生徒がやりとりを行う場面において「ほぼ毎日端末を利用した」と答えた小学生の割合は、全体の29.5%、中学生の割合は全体の25.7%に留まっています(※1)。このことから、GIGA端末が浸透しても、学習状況において未だに紙と筆記用具を日常的に使用している実態が明らかになりました。
(※1)令和5年度 全国学力・学習状況調査の結果(令和5年4月)| 文部科学省
IBT・CBT化が進むもメモ用紙と鉛筆提供 従来の運用コストと手間が課題
コロナ禍以降、試験のデジタル化(IBT・CBT ※2)も注目を集めています。しかし、IBT・CBTを採用する通信制高校において、完全なデジタル化ができていないという実態があります。例えば、試験中のメモ用の紙と鉛筆の配布、鉛筆を忘れた生徒への対応など、従来の対応がいまだ必要であり、運用コストや手間の負担が懸念されています。
(※2)IBT・CBT
IBTは「Internet Based Testing」の略称で、受験者自身のパソコンを使って実施する試験の方式です。CBTは「Computer Based Testing」の略称で、受験者が試験会場へ行き、設置されているコンピューターを使用して受験する方式です。
手書き機能で学習者と運用者双方にとって使いやすい学習環境へ
このたび、多くのユーザーから「紙の配布、鉛筆を忘れた人への対応などでコストになっている。CBTなのに運用がデジタル化できていない実態を改善したい」という声が寄せられたことを受け、2024年9月末に実施予定のバージョンアップにおいて、手書き機能を開発するに至りました。
これにより、ユーザー体験の改善だけでなく、紙の配布や鉛筆の準備といった従来のコストを削減し、よりスムーズでデジタルな試験運用が可能となります。
手書き機能
オンラインでの小テスト、中間・期末試験で、算数の途中計算を書いたり、国語の問題文にマーカーを引いたりすることが可能になります。これにより、児童・生徒が自らの思考プロセスを可視化でき、紙の試験と同様に回答をスムーズに導き出すことができるようになります。PC、タブレット、スマートフォン全てのデバイスで対応可能です。
設問をまたいでメモ内容を継続表示
国語、英語の長文問題など、同じ問題文で複数の設問がある場合に、メモ内容も設問をまたいで継続表示されます。これにより、学習者が前の問題に戻って自分のメモ書きを確認するわずらわしさがなく、手元の問題に集中して取り組むことが可能になります。さらに、長文の問題文をスクロールして読み進めた箇所を維持表示した状態で、設問をまたぐこともできます。
学習中断・再開時のメモ再利用
学習を中断した後、再開時に以前のメモ書きを再利用できる機能です。学習再開するごとに新たにメモを書く必要はなく、中断前と同じ状態で取り組むことができます。
特に通信制高校など、柔軟な学習スケジュールが求められる環境での活用が期待されます。
従来の紙ベースの試験からデジタル試験への移行において、手書きという慣れ親しんだ方法を残しつつデジタルの利点を活かすこの新機能は、スムーズな移行を支援します。教育現場のニーズに応え、学習者と運用者双方にとって使いやすい環境を提供します。
今後のリリース予定
「世界の誰もが、いつでも、どこでも、自由に学べる未来を創る」をパーパスとする当社では、多岐にわたる学校教育の業務を支援・効率化するため、今後もさまざまな機能追加を予定しています。
「お客様の声にまっすぐ向き合い、共に歩む」ことをプロダクトポリシーとしており、今後もデジタルバッジ発行、ChatGPTによるルーブリック評価など、必要な機能を開発していく所存です。
当社は、今後も教育現場の声に耳を傾け、建設的な機能開発を通じて、日本の教育のデジタル化と質の向上に貢献していきます。